CASE13:工作機械メーカー・機械設計
Mさん 30代 私立大学理工学部・機械工学科卒
マザーマシンと呼ばれる工作機械は、まさしく機械をつくる機械。日本は世界トップクラスの生産国だ。最近は生産体制の海外シフトが進み、設計エンジニアのMさんも海外とのつながりを強く意識しながら仕事をしている。
働く前 食堂に人が集まってくる。半数が派遣社員なので驚いた
大学では流体力学を学び、研究室では航空機のエンジン内部の空気の流れを勉強していました。しかし、勉強よりもゴルフやバスケットのサークル活動のほうに熱心でした。ものづくりに興味があったので、就職では製造業以外は考えませんでした。当社と自動車関連の2社を受けて、こちらの会社が先に決まったのでそれ以外の活動はしていません。
工作機械はすべての製造分野に影響力を持つ製品であり、そういう広がりに魅力を感じていました。この会社を選んだのは大学の研究室で使っていた機械のメーカーだったからです。入社したら設計という仕事で環境に配慮した機械づくりに取り組みたいと思いました。
入社して最初の驚きは、昼食の時間に食堂に行くと、それぞれの部署から大勢人が集まってきたのですが、「この会社は思った以上に社員が多いな」と思っていたら、半分くらいが派遣社員でした。学生時代は派遣社員の存在を知らなかったので、あとでそれを知って驚きました。大学では教えられなかった会社の実態でしたね。
働いてみたら 面倒見のいい上司のもと、きめ細かく指導を受ける
開発の部門に配属されたのですが、上司は10歳くらい上の方でした。社内でも将来を期待されている優秀な人という評判でした。もともと制御部門(機械に導入されているソフトやハードの開発)にいたのですが、設計がやりたいと希望して転属してきたそうです。毎日遅くまで残業し、人一倍部下の面倒見がよく、技術面はもちろん、精神面でも細かく指導してくれました。とても頼りになる上司で、他のチームの人から羨ましがられるほどでした。30cm×30cmの大きさの部分的な設計というのが初仕事でしたが、たっぷり時間をもらえたので安心して取り組めました。このとき、上司からは一連の設計の流れを教えていただきました。
会社の仕事は慌ただしく、怒号が飛び交い、ピリピリした雰囲気というイメージを持っていたので、これは意外でした。部内の雰囲気もフレンドリーで、上下関係も思うほど厳しくありませんでした。ひじょうに好印象でしたね。また会社の飲み会が頻繁に催され、そういった場では、開発部のマネジャーや担当取締役などに対して新人の自分たちがどんどん意見を言えるというのはビックリでした。
毎日がグローバル化。エンジニアも英語力は必須
職場ではグローバル化を痛いほど感じます。つい先日も海外でトラブルが発生し、毎晩12時過ぎまでトラブルの検証をするため、英文のメールが飛び交いました。周囲を見ると、同期の連中がどんどん海外に行っているし、研修や出張で外国人がやってくるのは日常茶飯です。僕の部署でもベトナムからの研修生が1人います。先だってスロバキアから数人のエンジニアが出張で来たときは、すべて英語でやりとりすることになり、けっこう苦労しました。会社は、大学まで何年も英語を勉強してきたのに使えないのはおかしい、という理由で通訳をつけさせませんから、全部自分で対応せざるをえない。これからのエンジニアはしっかり英語を学んでおくべきですね。
最近、新しい機械の開発・設計をやらせてもらいました。大事な心臓部にあたるところなので、いま、その検証、実験を慎重に行なっているところです。将来は工作機械にかぎらず、新しい技術の開発に取り組んでみたいと思います。
キャリアパス一例工作機械メーカー・機械設計の場合…
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入社3年目までは先輩の補佐的な仕事が多いが、それ以後は驚くほど大胆に仕事を任される。それまで先輩が担当していた仕事が多いので、場合によっては先輩の仕事の尻拭いもさせられることになる。それはある意味で自分の仕事のやり方を再考するきっかけにもなる。つまり自分の尻拭いは自分でしなければならないということだ。
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失敗やトラブルを重ねながら、仕事に根気よく取り組むスキルが育っていく。だが、設計がうまくいかないときや何日も深夜勤務が続くと辞めたくなり、つい弱音も出る。Mさんは入社4年目で職場結婚。そういう事情を理解してくれる伴侶の存在は心強い。将来の転職にも備え、簿記の資格があれば有利と思って勉強している。
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リーダー、マネジャー、ゼネラルマネジャー、そしてトップの開発部長へと上がっていく。Mさんもマネジャーとして人を率いて仕事をするのが夢だ。出世するタイプは、仕事が出来るのはもちろん、自分の主張を持ち、周囲を納得させることができる人、カリスマ性のある人だ。そういう人は周りの人とも良い人間関係を築いている。
遅かれ早かれ海外勤務。早ければ入社5、6年で赴任
この業界はコスト競争が激しく、それに対応して生産コストを落とすため、多くの企業が海外での製造比率を高めている。必然的に設計部門が海外に移っていくことで、多くの設計エンジニアが海外に派遣されている。 Mさんの周囲でも海外へ赴任している社員は少なくない。同期の友人もシンガポール勤務中で、メールで近況を伝え合っている。イタリアに赴任した同僚は、現地工場の加工技術部門で働いている。ユーザーの事情により機械の使用方法が異なるので、そうした固有の問題に対応する専門要員だ。もともと英語が堪能で海外勤務を希望していたMさんも、遅かれ早かれ海外赴任を経験することになるだろう。
- CASE13 :工作機械メーカー・機械設計 2/10掲載
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